2008年01月11日

新たなチャイナリスク?


ウェブ検閲の次は輸出品にも? 

かつてyahooが中国内での事業展開の認可を受ける際,当局の意向に沿う検索(意向に沿わないサイトを表示しないという)結果表示を受け入れたのに続き,中国で市場に参入する外資検索サービス会社(国内は当然)は皆これを受け入れた.

学校教育はもとより出版や情報の流通も徹底的に管理して,自らに都合のいい歴史観や社会情勢のみを国民に浸透させ,不都合な内容は一切漏らさないようにコントロールする様は,自由にものを言えない恐怖政治そのものに映る.

確かに,10億超の人民がこれまで知らなかった事実に触れ,反動で一気に民主化を求めるような事態になれば大きな騒乱が予想され,国家は存亡の危機にさらされるであろう. しかし過剰な抑制はそれを受ける人々を地下へ潜らせ,公然化しない情報が歪曲されて流通する原因ともなりうる.

中国当局は情報の自由化を絶妙な手綱捌きで進めなければならない.

その一方で,生産拠点の中国シフトや市場としての開拓が進行するにつれ,日本企業はその商業活動の中でもイデオロギーに関連し易い要素に対して一層の注意が必要になる. 特に中台関係は極めてセンシティヴな問題であり,両者への配慮が求められるケースでは単なる商業メリットだけでこの地を見ていると火傷を負いかねない.

この地球儀問題も生産国の政策に「迷ったが最終的に従った」結果起きたようだが,主権問題で対立する当事国をめぐってその一方の主張を受け入れたのは誤りであり,他の東南アジア諸国での生産を検討すべきであっただろう.

かつて(今も?)日本のナショナルフラッグキャリアであった日本航空は,国策会社であった故にこのセンシティヴな国家間への配慮にも抜かりがなかった.

日-台路線に就航していた同社は日中国交回復に伴い日-中路線を開設し,代りに台湾路線からの撤退を余儀なくされた. そのため新たに日本“アジア”航空という(他のアジア諸国には飛ばない)航空会社を設立して同路線に充て,「ナショナルフラッグキャリアは台湾に飛んでません」という対中国の体面を整えた.

今の日本人からすれば「台湾も中国も普通に行けるんだから大した問題じゃない」と思うかも知れないが,国共内戦によって追い出した側と追い出された側の間には当時から根深い確執が続いている.

この地球儀の購入者の中にも「他の世界は正しくて台湾だけなんだから大した問題じゃない」と思う人がいるかも知れないが,地球儀も含め地図上の呼称には一国のプライドが関与する場合が多々ある事は,島国に住む民族故に大きな関心事ではないのかも知れない.(日本も北方南方共に領有権問題の当事国であるが)

学研も気の毒ではあるが注意不足であったという事だろう.
(せめて中国政府から回収した地球儀の一括購入の申し出でもあれば不幸中の幸いではあるが…って受けちゃダメか.)
posted by Hero at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/77814166

この記事へのトラックバック

気になるシッキム、行き台湾
Excerpt: ※「行きたいわん」:日本アジア航空のCMより まいど。台湾の立法院選挙が終わりました。 与党民進党が惨敗、台湾団結連盟は消滅、国民党圧勝。徐々に台湾も中国化していくのでしょうか?嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ… ...
Weblog: ぶろぐ亭炎上のつぶやき
Tracked: 2008-01-13 07:21