一般庶民はこの結果を“我就喜歓”だろうか?
こと中国に関しては統計上のデータや調査結果は忖度して考える必要がある.
言葉は難しいがこの購買力平価もある数式によって導かれる数値で,極めて乱暴な括りではあるが“ビッグマック指数”が似たものとして知られている.
世界各国に広くに展開するマクドナルドの中でも最も普遍的なメニューの象徴としてビッグマックを例に取り,A国ではビッグマック1個がいくらで購入出来るかによってA国の通貨が物価に対して持つ価値を他のB,C…国と比較して客観的に把握しようとするものだ.
例えば2007年1月現在で中国では1個が1.4米ドル程度で,東南アジア諸国の1.7ドル台より低く世界一安い. ちなみに米本国は3.2ドル程度で世界一高いのはアイスランドの7.4ドル台.(現在日本は地域格差価格を採用しているものの約2.3ドル)
ビッグマックの価値は世界共通(という前提)なので,単純に見るとアイスランドのビッグマック1個で中国のビッグマックが5個買えてお釣りが来る. つまり統計上ではアイスランドクローナは人民元の1/5以下の価値しかないという事になる.
一見極めて合理的な比較データ(勿論ビッグマックを基準にするのではなくても)のように感じられるが,この比較には落とし穴があり特に中国のような特殊な国では必ずしも実態を反映しているとは言い難い.
まず賃金水準と為替レートで換算した絶対値としての物価との関係が比較する国により異なる点が挙げられる. 高賃金国から見れば1.4ドルは微々たる価格であるが,もっと安い他の食品を購入している低賃金国の国民にとって1.4ドルのビッグマックは高級品である.
つまり一般的中国人の賃金水準から見れば,アイスランド人が考える1.4ドル以上の価値が同じ価格のビッグマック1個にはある.
日本の楽曲CDが正規流通している東南アジアから日本への逆輸入版が格安になり問題となったが,発展途上国ほど賃金水準(物価)の高い先進国に比べて同一商品の価格は安くなり易いのだ.
加えて中国は完全な自由競争による市場経済とは一線を画しており,人民元も実質上対ドルペッグ制が取られているため日本円やユーロのような為替変動が無く,現時点では人民元の価値が他通貨に比して著しく安いレンジにあるとされている.
つまり仮に今後人民元が変動相場制に移行して実体経済を反映するようになれば,ドル換算でのビッグマックは現在よりも高くなる.(なので中国は実際には“発展途上国”ではない)
本来であれば<購買力平価が高い=経済大国>という構図になるが,その実態は人民元が不当に安いための“仮想ドル価格”に過ぎず,中国内で元のみで買い物をする一般庶民が享受する恩恵も殆ど無い.
基準が上げ底になっている中国経済では他の比較可能な一般的な国のデータとの対照には無理があり,国土の広さと民族の分布や貧富の差からしても“中国都市部”や“中国農村部”などの区別が必要になる. また人口の多さも無視出来ない要素であり,温暖化排出ガス量が突出していても「人口1人あたりでは先進国以下」などという詭弁が使える程に“平均”には意味が無い.
我々も“割り引き”と“割り増し”の予備知識を持ってこの国の発展を見つめる必要がある.
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