2007年11月21日

日々是平常心


星の数が示すその店の姿とは? 

“ミシュラン”と聞いてイメージするものは…
タイヤと裂けかけたブヨブヨの芋虫みたいな人形が思い浮かぶ人はクルマ好きか経済通.
赤い本と“ *** ”が目に浮かぶ人は流行りモノ好きか食通.

自動車用タイヤを世界で初めて実用化した世界最大規模のタイヤメーカーがミシュランであるが,何故グルメガイドと結び付くのかを知る人は意外に少ないかも知れない.

実はミシュランが発行するガイドブックには緑の表紙と赤い表紙の2種類があり,前者はロードマップと沿線の観光ガイドで,後者がレストランをお奨め度の星付きで紹介するグルメガイド.

つまり「ドライブの際には当社のガイドブックをお供にどうぞ(勿論お車のタイヤは当社製で…).」という意図であった. 
そのためグルメガイドのランク付けも…
 < * > 美味しいお奨めレストラン
 <* *> 遠くても回り道して寄りたいとても美味しいレストラン
 <***> ここに行く目的で旅をする価値のある素晴らしいレストラン
…的な意味合いでの推奨度から星が付されている.

このランキングを巡っては,本家フランスで星の数を減らされたシェフが自殺したという話が有名だが,それ程にまで大きな影響力がある調査結果と言えよう. 

調べる側も目的を隠して一般客として訪れ,定期的にレベルの維持を確認する念の入れようで,取材と断って(場合によっては広告料を取って)訪れる日本のその辺のグルメガイドとは比較のしようがない.

この権威あるガイドブックの東京版が登場する事は,この地の食文化への関心の高まりを意味するものであるが,掲載される店側にとっては新たな挑戦が始まるとも考えられる.

まずは掲載されるか漏れるに始まり,そして次は星が幾つ取れるのか,そして最後は3ッ星に登りつめた際にそれをどう維持するか.

これを目標としてまた励みとして腕に磨きをかける料理人や経営者が増えるのは良い事であろうが,3ッ星が取れて当然という驕りや「当店は3ッ星でございますので…」のような勘違いが出ない事を祈りたい.

3ッ星の店が星を減らされる理由には「興味本位の(マナーをわきまえない)客が(3ッ星獲得によって)増え過ぎたため食事を楽しむ雰囲気ではなくなった」というものもあるらしく,店側が3ッ星獲得時の状態を維持する努力も重要になる.

よく考えてみれば当然の事なのだが,調査員が訪れた時に供された料理とサービスに対する評価が星の数として示されるのであり,店側はその時の状態を維持し更に高めるよう努めればいいのだ. つまり欲をかかずにそれまでのスタイルを守ればいい.

これまでの日々の結果が評価であり,この先も従来同様の精進をすれば評価されるであろうと理解して星の数を保って欲しいものだ.

幸いな事に,「高価な星付きレストランには手が届かない >_< 」という向きには“Bib”というお奨めマークがある(東京版にもあると期待する).

これはBibendumという名のミシュランのマスコット(前述の“裂けかけたブヨブヨの芋虫みたいな人形”)が「美味しい割にはリーズナブルでお奨め」とする店で,星の数による格付けとは別に掲載される.

“美味しい割にはリーズナブル”と“安くて美味しい”は意味合いが違いそうなので,個人的にはBibマークの店も敷居が高そうではあるが,「吉牛の豚丼や小諸のせいろ蕎麦は旨い」と感じる感性で自分の舌に合う“美味しい店”を見つけ出していきたいものだ.
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