2007年11月19日

日本のお家芸


ハードの開発で先行するも運用出来ずに頓挫 …は避けたい  

一部では“ガンダム計画”などという悲しい名称があるようだが,実態はモビルスーツとはかけ離れた電子版重装備.

既に米国防総省では計画が進んでいるらしいが,果たして単純な白兵戦経験もない日本の自衛隊でこれらを装備する必要性がどの程度あるのかを先に研究するべきではないだろうか.

決して近代化・合理化を否定するつもりはないが,実戦経験の多い米軍がテストとフィードバックを重ねながら開発している一方で,戦争をした事がない自衛隊が同様のハイテク個人装備の採用を推進する理由が今ひとつ伝わりにくい.

自衛隊における導入には他に以下のような不安要素も考えられる.
  1. この兵器を使いこなす自衛官を育成するのに要する時間とコスト
  2. この兵器を装備する事で生じる自衛官の心身への負担
  3. 完全に依存するようになった時の機器の不動作時の“ローテク戦”対応
  4. この兵器が敵の手に落ちた場合の遮断・無能力化方法
  5. そしてこの装備が威力を発揮する“シチュエーション”の見極め

自衛隊が白兵戦や市街戦に遭遇する確率は限りなく低く,またそうなった時には精神面や指揮系統での混乱は著しいものが予想され,このような「先進個人装備システム」の威力に期待する以前に必要な(先に整備されるべき)ものはいくらでもあると思われる.

日本の技術を評して「ハードは優れているがソフトが伴わない」とする向きがある. 民生技術では時折見られるのだが,革新的な技術が開発されてもそれを実践的に活用するだけの具体的な場面が見付からず,応用技術が育たずに“お蔵入り”してしまうのだ.

“必要は発明の母”という諺が示すように,現状を改善するニーズを満たすために新たに開発された技術をイノベーションと呼ぶのに対し,具体的なニーズが生じていない現象を“想定”した開発は“基礎研究”と呼ぶのが相応しいのではないだろうか?

防衛予算に不透明な問題が散見される時節柄でもあり,実現までに多大なコストを要する“研究”には現実的な視点からの検討を期待したい.
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