チェッカー後も“勝者”は決まらない?
ルイスハミルトンはその手からドライバーズタイトルが滑る落ちていくのを何度感じただろうか.
ルーキーイヤーのチャンピオンという快挙を多くの人が期待し,そしてそれは射程圏内であった.
フェラーリのキミライコネンは早くに脱落したかに見え,同じマクラーレンのフェルナンドアロンソとの年間ドライバーズポイント争いも,後半にはハミルトン優位と誰もが思っていただろう.
安定した上位入賞で2位以下に大きくポイントを開け,早ければ前回の中国GPでも年間チャンピオンの座を手中に収める事が可能であったにも拘らず,タイヤ選択の思惑(消耗でピットインを求めたが天候変化を理由に伸ばされたらしい)が外れ破損したタイヤを引きずりながらピットを目指したが,直前のレーンでコースアウトして戻れずまさかのリタイアに終わった.
これによりライバル2人がそれぞれポイントを加算した中0ポイントで終わったため,最終戦では3人全てに僅差で年間タイトル獲得のチャンスという三つ巴の目が離せないレースとなった.
前戦終了時点でハミルトンは107ポイントであったのに対しライコネンは100ポイントであり,アロンソの103ポイントと共にタイトル獲得は可能であるが,両名共ハミルトンとの間に数台の後続車を挟んでの上位入賞(特にライコネンは2位以上)が必須であった.
レース開始直後にライコネンは2位の好位置に付けたが,アロンソとの3位争いに競り負けたハミルトンはコースアウトして8位まで下げた. 5位以上でゴールすればライバル2名が何着であろうとトップに立てるハミルトンはコース復帰後すぐに追い上げるが,その後ギアボックスのトラブルで18位まで落ちてしまう.
中盤からトップに立ち快走を続けたライコネンと,3位をキープしたアロンソはゴール時点で110ポイント対109ポイントで,追い上げを見せながら7位でチェッカーを受けたハミルトンも同じく109ポイント. 混戦を制した1位ライコネンがライバル2名に僅か1ポイント差で年間ドライバーズポイントトップを獲得した …かに見えた.
通常であればこれで今期終了となる筈なのだが,何とレース終了後に4位ウィリアムズと5位・6位のザウバーに燃料のレギュレーション違反の疑いが浮かび上がった.
もし違反と認定されこの3台の失格が確定すれば,ハミルトンが4位に繰り上がり5ポイントを獲得する. つまり上位の2名の順位(ポイント)が変わらないのに対し,ハミルトンがポイントでは112と逆転し年間トップに立つのだ.
戦いを終えてもなおドライバーズポイントトップのチャンスに恵まれるハミルトンは,何という強運の持ち主であろうか.
その手中からタイトルが滑り落ちるのを何度も感じながら諦めない,その執念と努力に天は味方するのであろう.
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