2007年10月19日

パブリックサイン後進国


パブリックサインは都市の成熟度のサイン? 

商業目的でも芸術表現でもない案内表示は,往々にして無機的で注意を惹き難いデザイン(と言えるのかも疑問だが)であり,時として本来備えるべき機能性さえ忘れているものも見られる.

マンハッタンの歩道に方向を示す羅針盤が敷かれたそうだが,この地(訪れた経験のある人は多分解ると思うが)では道路の幅員が広く直線で見通しも良いため,交差点から遠方を見れば目印になる建物や目標物が目に入るので大体の位置感覚を掴み易い.

加えて観光写真やTV等でお馴染みのように各道路には名前が表示されているため,余程の方向音痴でもない限りは少し歩けば現在地や方位感が掴める.

このような地であってもその一部の人々向け(かどうかは別として)に羅針盤を設置するのに対し,東京やその他の日本の(地下鉄が走る)大都市の現状はどうだろうか?

確かに地下鉄駅からの階段を昇り切った歩道に地域の案内地図を見る事があるが,必ずしも大多数とは言えずまた場所によってはその前が自転車やゴミに占有され接近出来ない場合もある.

ビルの高さや形状が似たり寄ったりで道路の幅員もそれほど広くない日本の街では,通い慣れた地元在住・在勤の人以外は地上に出て思わず周囲を見回すのではないだろうか.

改札を抜けてからの通路には各出口毎に記号と最寄の主要施設名が表示されているものの,もう少し直感的な案内表示はないものかと思う.

例えば,より大きい(電車のドア1組程度)サイズのボードにその出口階段を昇り切った状態で見える景色の写真を薄く背景として表示し,その上に現在表示しているように主要施設名を(名前の前に写真上のどの方向かを示す矢印と共に)記載するというのはどうだろうか?

地下道や地下街の壁面にはその位置の地上の風景をシルエットで描き,目印となるような施設の名称を表示するのも一法だし,地下街にも地上同様に“ここは○○-××”のように地名表示をするのもありのように感じる.

いずれもその場所を管理する組織のセンスに依存する事になるが,初めて訪れる人の目線に立ち直感的でイメージし易いデザインと,慣れた人達の都合でそれが見えないような状態にならない管理が必要であろう.

出来れば過剰に過ぎない程度の装飾性を加えられると,より景観的なメリットを発揮するかとも思う.

注意を惹きかつ判り易いにも拘らず,周囲と調和出来て過剰に自己主張しない案内表示.
絶妙のバランス感覚が求められるが,今の日本にはそれを実現出来るクリエイティヴな人は充分に存在すると思う.
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