2007年10月05日
そのクスリ本当に必要ですか?
薬は世界共通の資源
“薬も過ぎれば毒となる”という諺がある.
従来は「過剰な薬の服用は身体に悪影響」という解釈で通じていたが,どうやら個体への悪影響のみならず人間を取り巻く生態系にも流用出来そうな諺となってしまったようだ.
日本人はどうも薬好きな民族であるらしく,医者にかかって投薬がないと不安を感じる人が多いようだ. そして医者も薬好きな人種らしく,僅かでも投薬の可能性があれば出したがるらしい.
“清潔”や“安全”に執着する傾向が強い日本には高性能の薬品が豊富に流通しており,整備された医療保険制度によって殆どの人が高額な医療費を負担する事無く最新の薬品を入手する事が出来る.
そのため多くの研究を重ねた成果である新薬が容易に投与され,その過剰な投与で本来であればこれに対する耐性が生じるまで当分の間利用が可能であったこの新薬に,想像を遥かに超える短期間で耐性を生じさせてしまう事となる.
人間の行動や渡り鳥によるウイルスの伝播には国境がなく,まだ耐性が生じていない国があっても地球上のどこかでそれが起きてしまえば,その先この新薬の有効性は保証されない.
その結果折角の研究の成果であるこの新薬に代わり,また新たに膨大な時間と費用を投じた新・新薬の開発が必要となる.
製薬会社は投じたコストを回収する前に新たな開発コストが必要となり,それを反映した薬価の上昇により医療保険制度の恩恵を受けれない人は更に薬を入手出来なくなる.
一部の豊かな人々による“薬漬け”現象は,世界の多くの貧しい人の健康を蝕む原因となりうるのだ.
医師は新薬を過剰評価して闇雲に処方せず,また多量に処方された患者はその必要性に疑問を持つ事で,全人類に有益な“資源”である新薬が永くそして安く使い続けられると肝に銘じておきたい.
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