金融政策へのコメントで言質を与えてはならない
ECB総裁のコメントが何やら解り難いと感じる向きもあるだろうが,これは決して下手な日本語翻訳によるものではない.
通貨当局は市場に対して常に中立である事が原則であり,今後の金融政策に予断を与えるような発言は厳に慎まなければならないのだ.
誤った解釈をされるコメントを発して市場を混乱させないためであるが,その情報を基に市場の動きを先取りして利益を得るような行動を防ぐ目的もある.
従って経済紙の記者は「ゴマかしてないでハッキリどっちか言って下さいよ」などという芸能リポーターのような突っ込みは入れず,その言葉の端に隠されたメッセージを読み取ろうと耳を澄ませる.
グリーンスパン前FRB議長はこのメッセージの織り込み方が巧みな“文人”とされ,意図するところを過不足無く織り込む事で米金融市場を制御してきたと評価する人が多い.
通貨当局責任者の一言一句は市場に対して大きな影響力を持つ一方で,例え一国の中央銀行総裁であろうと市場の動きを意中のままに制御する事も出来ない.
従って政治家のように明確な政策方針を表明する事はこの分野においてはタブーである.
(そう考えると日本の政治家には金融政策に向いている人が多いような気も…)
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