東電は能登半島地震での北陸電力志賀原子力発電所から何も学んでいない.
今回の中越沖地震では先の能登半島地震での教訓を活かすまでに時間が短か過ぎたのであろうか?
本来近隣の原発で地震を原因とする何らかの障害が起きていたのであれば,すぐにその原因を分析すると共に自社の似た立地の原発の安全性を再確認するのが当然の流れだ.
実際に志賀原発では使用済み核燃料を貯蔵するプールから放射能を帯びた水が建屋内の床に飛散しているが,今回は同じ水が敷地から海へ漏出するという更に深刻な事故が起きている.
既に確認された現象への安全対策を怠っていた時点で,東電の姿勢は非難するに値する.
また原子炉とは直接関連しない位置にあったとは言え,消火活動が充分出来ない場合の延焼まで考えれば地震直後の変圧器火災も起きてはならない事故と言える.
原発周囲の放射能濃度を測定してネットで公表するシステムがダウンして,一般の人々に情報が提供出来ていない(故意に公表していないと勘繰られても仕方ない)事態も想定していない故障であり,この原発の施設全体が予想を超えた規模の地震に遭遇したと判断するべきであろう.
後に公表された数値によると,原子炉等重要施設の設計強度が273ガルまで耐えるように想定されているのに対し,これを大きく上回る680ガルの揺れが実際にこの施設を襲ったという.
何もかもが想定外のレベルである以上,現在停止中の柏崎刈羽原発はもとより全ての稼働中の原発を停止して設計強度の見直しを進める姿勢が求められる.
京都二条城では耐震強度不足(深度6で崩壊の恐れ)から一部施設が公開中止になったというが,長い歴史を経た木造家屋では仕方ないとも思える耐震強度であっても,来場者の安全に配慮すれば躊躇なく公開を止める姿勢は大いに評価されるべきであろう.
方や科学の粋を結集して建設した原子力発電所がその設計時の予想を上回る地震に遭遇したとあれば,全ての施設の耐震基準強度を見直して不足する施設を改修するのは当然と言える.
日本の原発の安全神話は既に寓話である.
教訓を活かしてこの先取るべき対策を監視する責任が我々にはある.
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