2007年06月25日
桑田真澄という生き方
ベテランルーキー(?)が渋い仕事をしている.
一時は絶望的とも言われた負傷から回復して,中継ぎとして任された仕事をソツなくこなし期待に応えているように見える桑田だが,真の評価はこれから始まるのだろう.
度重なる負傷とそこから復帰までの努力は,ピッチャーとして積み重ねた対戦感覚と同じ位に価値があると思えるし,彼の姿勢を慕ってトレーニングを共にしたりアドヴァイスを求めるジャイアンツ(他球団にもいるらしい)の選手は多いという.
イチローとの対戦後のインタヴューで「水のようにしなやか…」という言葉を使ってイチローを語り,続けて「求めてるものは同じかも…」と発言したそうだが,この先も大好きなベースボールを続けるために必要な力と,現在の自らの能力とをどのように折り合いを付けるかを考えての事だろう.
一般的に表情から感情を読みにくいピッチャーであり,感情のコントロールや気持ちの方向付けなどの面では,彼の信望する宗教(パーフェクトリバティー教)も少なからず役立っているのだと思うが,穏やかでありながらしたたかに目標を目指す彼の姿勢は,各国から揃うメイジャーのプレイヤーの中でも特異な存在だろう.
「今は好きな事が出来るだけで嬉しい」的な内容の発言が多いが,そこには「失うものは何もない」から全てを受け入れられるのであろうという達観を感じる一方,負けた時の悔しさをアピールするメイジャーリーガーが多い中で,“悔しがらないがガッツはないのか?”と疑問視されないか少しハラハラする部分もある.
理論派で研究肌な気質は仕事だけでなく趣味にも顕れ,ジャイアンツ時代には一時財テクにもハマって顰蹙をかったようだが,体格や腕力では太刀打ち出来ないメイジャーリーガーと対峙出来るのも,この気質によって培われたスキルのお陰だろう.
いずれにしても日本球界で“お払い箱”にされたピッチャーがメイジャーリーグで活躍する光景には,かつて野茂英雄がそうであったような爽快感を覚える.(ちなみに両者は共に大阪出身の同年齢)
“選手再生工場”とも評された野村克也現楽天監督は,「野球をやりたいと思う気持ちが強い奴ほど再生がし易い」という趣旨の話をしていたが,年齢という画一的な基準や他球団の様子を窺いながら物事を進める日本の“野球”界には,経験やモチベーションという見えない部分を評価(勿論“日本のマスコミやファンを呼ぶには安い買い物をした”というしたたかな判断があるのも事実だろうが)したパイレーツのような“ベースボール”の歴史とノウハウは縁遠い.
“オールドルーキー”というタイトルの映画(原題“The Rookie”)があるが,これは一度マイナー契約で採用されながら活躍の機会なく引退し,テキサスの田舎町で高校教師をしていたジムモリスという人物が,一念発起して再チャレンジの末メイジャーのマウンドに上がる実話である.(ブランクがある点で桑田とは異なるが,桑田を評して“オールドルーキー”とする人もいるようだ)
アメリカという国全体が年齢による差別を嫌う傾向にあり,「実力が伴うのであれば年齢は関係ない」と考える人が多い. そのためこの映画のように薹の立った新人を迎える事に対しても違和感を抱く人が少なく,パイレーツ内にもそのような判断があったのだと推察出来る.
年齢の壁に挑んで活躍する人を応援する気持ちに洋の東西は関係ないと思うし,特に同年齢かそれ以上の人達には希望を与える効果もあると言えよう.
自らの選んだ道を進む桑田が背負っているものは,本人が自覚している以上に大きいのかも知れない.
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再び、パイレーツと契約
Excerpt: パイレーツを8月に退団した桑田が、再びパイレーツと契約しました。 キャンプの招待
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よろしくお願いします。
桑田投手。また再びパイレーツと
契約したそうな。
野球での活躍はもちろん、生き方に共感します。
できるだけ、いきの長い選手になって
欲しいですね。