2007年06月21日

マックに行くなら他行こう


増収増益でも差別値上げする狙いは何か?

ニュース記事としてはやや古いが,今回日本マクドナルドが地域別価格を導入するのを機に同社関連ニュースを検索してみた.

前年同期比で9.2%増の売上高,130%増の営業利益,25倍の純利益.
この輝かしい業績をしてもまだ現状に不満があり,その解決のために消費者に負担を強いるという事らしい.

「大都市圏では人件費や店舗の賃料が高騰し地方との物価水準の差が大きくなった」事が値上げの根拠だそうだ.
そのため東京,神奈川,大阪,京都の4都府県にある1,255店でビックマックセットが580円から640円へ60円値上げし,逆に宮城,山形,福島,鳥取,島根の5県内の130店では560円へ20円値下げするという.

値上げ幅3-5%で1,255店舗,値下げ幅1-2%で130店舗.
単純に考えてもおいし過ぎる

都市圏で人件費や賃料が上昇しているのは事実であろう. 
しかしそれを根拠にして値上げするのであれば,その都市圏1店舗当たりの利益率も公表して,コスト上昇分の価格への転嫁に理解を得る努力をすべきではないだろうか?

確かにこれらのコストは地方よりも都市圏で高いだろうが,1店当たりの集客率や売上も都市圏の方が多いのではないだろうか?  
場所が良ければ客は入るだろうし,売上が多ければ固定費率は相対的に下がるのが当然だ.
地方都市と大都市で同じ従業員数を同じ面積の店舗に配置したとして,両者の人件費と賃料の差に対する両者の売上の差が上記価格差を適用せざるを得ないレベルであると,消費者を納得させるべきと考えるのは一企業に対して多くを望み過ぎなのか.

日本マクドナルドの業績は原田永幸(現:泳幸)氏が社長に就任して以来右肩上がりであり,氏が以前社長を勤めたアップルコンピュータ(現:アップル)でもドン底の業績を回復させたとして評価する向きも多いが,氏を知る人の中には「どこの会社でも上手く立ち回ってタイミングに恵まれた人」と評する者もいる.

確かにiMacやiPodなどの世界的なヒットは氏の業績ではないし,マクドナルド社長の就任と業績発表のタイミングからも回復は就任前からであったと判断出来る.

しかしだからと言って氏の能力に疑問を差し挟む訳ではなく,機を見るに敏で強運であるのも経営者の才覚の一つとも言え,過去の好評価にも悪評価にも惑わされずに現職に全精力を注げばいい訳で,就任後に導入された施策がどのような結果を生むのかを見ればそれでいい.

日本全土(勿論世界中だが)に展開している店舗網は今や全国レベルのインフラと呼んでも差し支えないと思われ,民間企業であろうとも例えばヤマト運輸が都市発と地方発の貨物に差額運賃を適用したり,携帯電話会社が過疎地と過密地域で発信料金に差を付けたらと考えると,“都会は値上げで田舎は値下げ”的な今回の差別価格には問題ありと思える.

まぁ,頻繁に宅急便を送る人とそうでない人がいるように,ちょくちょくマック(or マクド)を利用する人とそうでない人がおり,余り利用しない人にはどうでもいい話かも知れない.

都市圏には他にもハンバーガーチェーン店はあるし,個人的にはバーガーキングの再展開により興味がある.
“100あったらマックに行こう”というキャッチコピーがあるが,ここは“マックに行くなら他行こう”を心に銘じて賢い消費者になろう.
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