トカゲの尻尾をほんの僅かだけ切る法案が可決した.
骨を切らせないために皮を切らせる戦法だ.
銃を購入する際の身元照会データベースに,過去の精神病歴や犯罪歴を追加するという趣旨で,それ自体には何の異論もない(…と言うよりは今までされていなかった事に驚く).
問題はその履歴を“連邦政府のデータベースに提供した州に対して政府が報奨金を支払う”だけで,何ら義務化されていないところにある.
つまりそれぞれの州ごとに判断が分かれる可能性があり,データを提供しない州の居住者にはこの監視の網をかぶせる事が出来ないと考えられる.
法の網の目がとても粗いためすり抜けるのが容易で,まさにザル法である.
記事にもあるように全米ライフル協会がこれに賛同したのは,自らの利益と根本的に対立しないと判断したからであり,銃規制にも前向きに協力する姿勢をアピールするものの,所持している者にとっては何の痛みもないというおいしい法案であるためだ.
尤も牛の歩み例えれば僅かであっても前進であり,実に13年振りに銃規制強化の法的措置が取られるという,ジャコビニ流星群ばりの貴重な出来事である.
今後はこの周期を短縮し,更に実効性のあるものへ進化を遂げるよう願いたいが,それには幾つかの銃撃事件が契機となるであろうと思われ,そしてそこには新たな犠牲者が出るであろう事を考えると憂鬱な気分になる.
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